QuizKnockとTumbleweedが、そろって10周年を迎えます。
その記念コラボとして生まれたのが、体験型ナゾトキ公演『Unlock!』です。
QuizKnock発の謎解き制作チーム「NazoLock(ナゾロック)」と下北沢の実店舗を中心に体験型謎解き界を牽引し続けている謎解き制作団体Tumbleweed(タンブルウィード)の共同制作。
キャッチコピーは「カギを開けるだけなのに。」です。

ESCAPE.GUIDEプロデューサーのしゃるは、プレ公演に参加。
ラスト2分の攻防をくぐり抜けたその足で、3人に話を聞きました。
NazoLockリーダーの山本祥彰さん、Tumbleweedのクリエイター/プランナー・小池恭也(通称・pia)さん、そしてTumbleweedを運営する株式会社グリーンダイス代表の斉藤敦さん(通称・メガビン)です。

左から:pia(Tumbleweed)/山本祥彰(NazoLock)/メガビン(グリーンダイス)
始まりは、たまたま居合わせたごはんの席

まず、楽しかったです。ありがとうございます。難しかった〜〜!!ギリギリでしたよ、うちのチーム。
Tumbleweedさんって学生団体以外、ほとんど他団体とコラボしないじゃないですか。今回のコラボはどういうきっかけでスタートしたんですか?
これはかなり偶然で。たまたまごはんに行ったら、そこにメガビンさん(グリーンダイス代表)ともりぺーさん(タンブルウィード ナゾベース下北沢 店長)がいたんです。
「今年10周年なんですよね」「あ、うちも10周年なんですよ」という話になって、「じゃあ何かやりましょう」と。
それで終わるかと思いきや、もりぺーさんが「本当にやりたいんですけど、どうですか」と。
僕も本当にやりたいです、と返したら、うまくつながってコラボすることになりました。
ご飯の場から生まれたんですね。もりぺーが一翼を担っている。メガビンさんは、最初に聞いたときどう思いました?
正直、その場だけの話になるのかな、と…笑 QuizKnockさんもお忙しいだろうしなと思ってましたし。ただ、もりぺーくんが本当にやりたがっていて、そのあとも「あれ、どうですか」と私に言ってくる。山本さんも乗ってくれているっぽい。だから最初は半信半疑、できたらいいなくらいの気持ちで聞いていましたね。
NazoLock側は、最初から熱量が高かったんですか?
そうですね!個人的に僕がTumbleweedさん大好きだというのと、NazoLockとしてブランドの認知度や価値を高めていきたい時期でもあるので。業界を牽引するTumbleweedさんとご一緒して、お互いの魅力を引き出し合えるような企画ができたら最高だなと。
「カギを開けるだけなのに。」というテーマ

今回のコピーが「カギを開けるだけなのに。」
カギを開けて外に出るって、脱出ゲームではすごく王道な感じがするんです。あえて王道のテーマにした理由はありますか?
タイトルもテーマも、元々いろいろ案があって。最初の会議で「ナゾベースでホール型をやりましょう」となったときには、こちらも案を考えていたし、NazoLockさんも考えてくれていた。そのなかで、「NazoLock」という名前をお話の中でちゃんと打ち出したいし、謎解き好きにも伝えたい、という話になったんです。
タイトルに「ロック」が入っている。ロゴには10周年の「10」を入れたい。この2つを並べたときに、「LOCK」の「LO」が「10」に見えるな、と。それはいいだろうな、と思って。
あとは、幅広い層が来たときのことを考えました。我々はもう、カギを開けるという動作に慣れてしまっているかもしれないけれど、やっぱり一番最初は、カギを開けるのが一番楽しかったんですよ。それを、ホール型が初めてだという層にも触れていただきたかったというのが大きいですね。
カギは元々(公演のテーマとして)結構考えていて。「10」という数字が入っているので、10周年で何ができるかをいろいろ考えていたんです。そこにNazoLockさんの話が来て、「めっちゃいいじゃん」と。
そういえばTumbleweedさんのロゴにも、カギ穴がありますしね。
それもあって親和性は高かったですね。多分、山本さんサイドからも「ロックというか、NazoLockをうまく組み込んでほしい」というのがあったと思うんですけど。
いや、これはもう提案していただいて。めちゃめちゃいい、これでいこうと言って。NazoLockだし、10だし。
初めて来る方が、やっぱりQuizKnockのファンの層で一定数いるなというのは最初からあったので。どんな人もターゲットから外さないようにしつつ、でも本格的な謎はやる。ちょっと難しい課題を抱えながら、なんとか実現したという感じですね。
NazoLock初のホール型公演

今回は共同制作なので、お互いのカルチャーがクロスしていくと思うんです。制作の中でお互いに感じた「ここすごかったな」「ここ面白いな」と思ったことを聞きたくて。山本さんいかがでしょう?
我々の団体はホール型のイベントをあまりやったことがなくて。そもそもホール型を作り上げていく作業自体が新鮮でした。
そのうえで、プロであるTumbleweedさんはさすがだなと、何回も思ったんです。作っていく過程で、どんどんブラッシュアップされていくのが目に見えてすごくて。調整が必要そうだなと思っていた点が、気づいたら改善されている。その過程をリアルタイムで追えたのが、非常に新鮮でしたね。
※編集追記:QuizKnockさんは一度、東京ミステリーサーカスにて公演を実施していますが、当時はまだNazoLockというブランドがありませんでした!!
あと謎解きがすごいのはもちろんのこと、Tumbleweedさんの物品や映像もかなりすごくて。すべてのレベルが高いなと思いました。
エンドロールで関わった方々の名前が出てくるじゃないですか。今回の『Unlock!』、過去一で人が多いと思います。
謎の実装は、まるごとNazoLockに任せた

じゃあ逆に、Tumbleweedさんから見ていかがでしたか。
それで言うと、謎解きの実装部分は、かなりNazoLockさんにお願いしているんですよ。
いわゆる「イモモチ」──「いつでもモードチェンジシステム」、略してイモモチなんですけど、そのあたりの謎とか。
「イモモチ」──「いつでもモードチェンジシステム」
これ、書いていいやつですか。めっちゃ画期的で独自のシステムだったと思うんですけど。
※編集追記:「イモモチ」は、簡単な問題と難しめの問題が裏表に印刷されており、いつでも難易度を行ったり来たりできる、初心者から上級者まで楽しめちゃうシステムのことだ!
イモモチは大丈夫です!山本さんは「イモチ」推しだったんですけど、イモチ病で縁起が悪いということで、イモモチになっています。
※編集追記:「いもち病」は、カビの一種が稲に取りつき、葉や穂を枯らしてしまう病気のことだ!なんだこの追記。
小謎の実装は完全に任せきっていて。あと今回、核になっている部分については、「システムを考えてください」とお願いしたら、NazoLockさんが出してきてくださって。それで「確かにこれだ」となって、解説の見せ方までそれで決まりました。
実装って、実現するだけなら簡単なんですよ。でも、プレイヤーが確信を持って「これで合ってるな」と思えるようにするのは、けっこう難しい。そこをほぼ完璧にこなしてくださった。何回かボツも出していますし、そういうところを工夫してもらったのはすごいなと。手触りのいい実装が多いですね。こちら目線から見ても実装力がえぐいし、それがプレイヤーのための実装に落ちているのもすごいと感じました。
「手触りがいい」はうれしいですね。ぜひ言われたい一言。
初めて謎解きに来る人へ、両団体からのアドバイス

今回は明らかに、QuizKnockのファンの方がたくさん来ると思うんです。参加される方に向けて、お互いの目線からアドバイスをいただきたいなと。まずは山本さんからお願いできますか?
最初は何をしていいか分からないところがあると思うので、ガンガンスタッフの方を頼ってほしいです。
あと今回は、スタンダードコースとチャレンジャーコースをいつでも切り替えられるシステム(編集注:これがイモモチ)を開発したので、何の躊躇もなくスタンダードコースを選んでほしいなと思いますね。
チャレンジャーは本当に、何回も何回も来た人向けなので!その人たちを楽しませるにはどうしたらいいか、それだけを考えて作ったモードなんです。初めての方や最後まで謎を味わいたいという人は、まったく気にせずスタンダードで楽しんでほしいなと。
あらゆるプレイヤーに向けてのホスピタリティを感じますね。Tumbleweedさんはいかがですか?
制限時間があるタイプの謎解きに初めて参加するよ、という方であれば……やっぱりイモモチのスタンダードをやっていただきたいというのはもちろんあります。
周遊型の謎解きのように時間に追われない状態で遊ぶのと、時間に追われて遊ぶのとでは、精神的な負荷がかなり変わってくるんですよ。ある程度それを覚悟したうえで来ていただくのが、ベースラインとしていいかなと思っております。
覚悟というか、心づもりですね。あとは楽しもうという気持ちで。成功はもちろん追い求めていくものですけど、成功しなかったら頭が悪い、みたいなものではまったくなくて。大人が本気になるための条件づけみたいな形で、謎解き界は回っているので。
周遊謎には成功とか失敗とかないので、またそれとは違った緊張感を楽しんでもらうというか。決められた制限時間のあいだにガッと集中する。で、「はー、大変だった」と言って帰る。そういう遊び方もあるんだ!というのを体験してもらって、楽しかった!となってもらえたら嬉しいです。
NazoLockが目指しているもの

ここからは、各団体へのご質問です。まず山本さんに。QuizKnockさんから生まれた謎解き制作チーム、NazoLock。業界的には「QuizKnockが謎解きに参戦してきたんだ」という衝撃がありました。その前提のもとで、NazoLockとして目指したい謎解きのビジョンや立ち位置はありますか。
まずは、考えることが楽しいということを広めたい気持ちが強くあります。その手段として謎解きが使えるんじゃないかということを信じて、謎解きという分野に参入して、そこで頑張ろうとしている、というのがまず最初ですね。
そのうえで、クイズも考えることが楽しい遊びではあるんですけど、クイズだけではたどり着かない部分もあって。ある程度の知識がないと、考えるベースに立てないとか……そういった側面があるので、謎解き制作の力もつけて、より幅広い層を知的なゲームで楽しませられたらいいなと思っております。
ベースは「考えることが楽しい」という部分で共通しているということですよね。これまでの表出がクイズだった、という。
そうですね。元々QuizKnockでやっていたことの中にも、謎解きチックなひらめきは全然あったので。名前は新しくなりましたけど、ひらめきを完全に一から始めたということでもないと思うんです。今までやってきたことの延長の中に、ひらめきだけに特化したNazoLockが存在する。そういう感じになっているといいなと思っています。
これ、NazoLockに関するインタビュー自体がレアだと思うんですよね。だからめちゃくちゃ読んでもらいたくて。謎解き好きにもっと面白さが広まって欲しいなと思っています。
山本祥彰にとっての『W -ダブる-』

ここからは山本さん個人に。Tumbleweedさんのイベントもグッズも、たくさん遊ばれていると思うんですけど、今までで一番印象に残っているものはありますか?
これはですね、本当に大体面白いんですけど、一番印象に残っているので言うと『W -ダブる-』ですね。
『W』は、私が本格的に謎解きを始めた最初ぐらいの公演で。どこまで言っていいか分からないですけど、結果としては失敗だったんです。こんなにも分かる可能性があったのに、なんで失敗したんだ、と。そこにまず驚いて。あれは本当によくできているなと。
そこから自分の謎解き人生がちょっと変わったというか、謎解きってやっぱりすげーな、と思わされた公演なので。一つ挙げるとしたら『W』かな。
自分が指揮をとった作品の名前が上がり照れる小池恭也(pia)氏
『Unlock!』のあとに、つぎ遊ぶなら
今回、謎解きに初めて来る方がたくさんいると思うんです。『Unlock!』に参加して「Tumbleweedさんってめっちゃ面白いものを作るんだ」と思った方が、次に遊ぶとしたら。常設のものでもいいし、持ち帰りでもいいし。
直近だと『トンデモマンションと奇想天外ルームツアー』という新作と、あとまだ『ViViD SCAN!』もやっています。あとは、ナゾトキゲームオンラインの『ONE OPERATION』。
おお、山本さんがゲームマスターやるバージョンが発表された。
詳細は画像をタップ! そうそう、山本さん編もありますので。あとは『TOTTE!』もおすすめです。全体的にヒラメカという店舗のコンテンツがいいかなと。
なるほど。ヒラメカは基本自分達のチームだけで遊ぶ「ルーム型」が多い店舗ですね。
そうですそうです。ホール型イベントの楽しさもあれば、ルーム型の楽しさもあるので。あと『トンデモマンション』は、今回の『Unlock!』の制作メンバーもけっこう入っているんですよ。
じゃあ、ちょうどぴったり合うかもしれない。形式は違うけど、制限時間があってスリルを持って楽しめる謎解きですしね。
ここまでQuizKnockのファンの方に向いた話が続いたので、Tumbleweedのファンの方にも向いてみたいなと思っていて。下北沢で10年やってきました。社長から、10年だから、ファンに向けて一言ほしいなと。
これは社長目線でこれはガチの話ですけど、うちは本当にトップダウンじゃないので。ディレクターがやりたいことを、自分たちで好き勝手に、自分たちの責任で、自分たちのテンポで、誰にも文句を言われずにやっているんです。
だからこれからも、変なものがたまに出るかもしれないですけど、そういうのをずっと面白いことやるなって見ててほしいですね。たまに変なのが出ても、「ナイスチャレンジ」とは言ってほしいなって。
この中で一番変なものを作るのは誰ですか。piaさん?
では最後、締めの質問をお一人ずつ伺います!両団体とも10年目でございますので……「あなたにとって謎解きとは何か」をぜひ一言でお願いします。山本さんが最後で、まずはTumbleweedのお二人から。
いや、でも謎解きにはまって起業しちゃってるので。……まあ、でも「人生」はダサいな。ちょっと考えていいですか。
わかりました(笑) じゃあ、先にpiaさんからいきます。
えー、これむずいな。言いたいことは本当にいっぱいあるんだけど。
すごいな。Tumbleweedが全滅だ。こんなにレベル高い謎作ってるのに。
あ、でも本当に、これに出会ってなかったら今何してるんだろう、というのは思う。つまんない人生をやってたのかな、って。
あー、そういうことが聞きたかった。そういうこと。piaは?
まずい!難しいことを言い始めた!深掘ると時間と記事面積が足りません。
深掘りたかったら、小池くん(pia)に直接聞いてください、にしましょう。
NazoLockとしての挑戦でもありますし、やっぱり挑戦することの楽しさを教えてくれるゲーム、遊びだなと思っていて。未知の難題に挑戦する機会って、謎解きがちょうどよくて。そういう、人々が挑戦できるようなゲームを、これからも作っていきたいなと思います。
「人生」は、やっぱりちょっとやだな。かっこつけすぎ。
ただ謎解きが好きでしょうがない人間たち

ごはんの席で交わした「あ、うちも10周年なんですよ」から始まったコラボ。
お互いが得意なところを持ち寄って、初めての人が置いていかれないように、それでいて何度も来た人も満足できるように、様々な仕組みまで用意されています。
「謎解きは挑戦です」と山本さんは言い、「人生はダサいな」と言いながら斉藤さんは結局「これに出会ってなかったら、つまんない人生をやってたのかな」と話しました。
別々の道を通ってきた彼らも、結局はただの謎解き好きな人のうちの一人だったように感じます。
『Unlock!』は2026年11月15日(日)まで。
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更に、こんな持ち帰り謎もありますよ。
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